今回は、闇金の借金完済後の注意点について、解説していきます。

一度闇金から借金してしまうとその法外な利息のため、払っても払ってもなかなか元本まで完済することができません。

闇金は、元本が残っている以上永久に利息を取り続けることができるため、巧妙な手口により故意に元本を返済させないのです。

しかし中には、無事に元本まで完済し、闇金からの借金に蹴りをつけることができたという人もいるでしょう。

でもここで安心できないのが闇金です。完済した後も、まだまだ地獄が続く可能性があります。

借りたら返せば問題ないのか?

通常の消費者金融などからの借金であれば、借りたら返す、完済してしまえば何も問題が残りません。

しかし、この常識が通らないのが闇金です。

闇金は、法律を犯した犯罪者集団。自分たちの利益になることであればどんなことでもします。それは、一般常識を持つ人には考えられないようなことばかりです。

完済した後の驚きの手口

そもそも闇金から借金してしまうと、あまりに高額の利息のため、その利息の返済だけで精一杯になってしまいます。

もちろんそこが闇金の狙いです。常識的にありえないような金利で利息を請求し、「支払いが大変であれば、とりあえず利息だけ払ってくれればいいですよ」などと甘い言葉で誘いながら、取れるだけ搾り取るのです。

中には家族の協力を得たり、財産を処分したり、何らかの方法で完済したという人もいるでしょう。

しかし、完済したからと言って安心できないのが闇金なのです。

闇金は、頭脳集団でもあり、連絡先、勤務先、家族状況、銀行口座、借入額、返済額など、債務者の情報は全てデータ管理しています。

また、闇金仲間の間で、そういった個人情報を共有しています。

この情報を元に、完済後も連絡してくることがあります。

再度融資の勧誘

完済後の接触方法のほとんどは、再度融資の案内です。

「特別に利息を低く設定するから借りないか?」などと得意の甘い言葉での勧誘です。

過去に完済したというデータから、この人は「うまく騙せる」「脅せば取れる」というターゲットとして見られている可能性があります。

このような勧誘があったら、毅然とした態度できっぱりと断ることが肝心です。闇金の恐ろしさを知っている人であれば、言われなくても当然断ることでしょう。

完済済みなのに更なる利息を請求?

さて、融資の甘い誘いをきっぱり断られ、一つ返事で引き下がる闇金ではありません。

ここで闇金の本領発揮です。普通の常識では考えられないような言いがかりをつけてくるのです。

「前回の融資の未払いが1000円だけ残っていた。その利息が100万円に膨れ上がっている」

このようなばかばかしく不当な請求を、平気でやってのけるのが闇金です。

しかし、莫大な利息とともに元本も完済したはずでありながら、契約書も借用書もなくすべて口頭でのやりとりのため、被害者も証拠を突き出すことができないという実情があります。

さらに闇金は、被害者の家族や勤務先の情報、つまりは被害者の弱みを握っていることもあり、断れば周囲を巻き込んでさらに脅してくるのです。

利息の支払いだけで精一杯で元本の完済ができず、一生搾り取られるのが闇金の恐さですが、このように、完済が完済で終わらないという恐ろしさもあります。

闇金からの接触に対する対策

上記のような卑劣な手口にかけられることのないよう、闇金とかかわりを持った後の防衛対策は重要です。

電話番号を変える

闇金は、電話を掛ければ必ず「カモが引っ掛かる」とは思っていません。

「数打てば当たる」式で、一日に何百件も見込み電話をかけるといわれています。

そして、その中でなんらかの反応があった人をターゲットとして絞り、お金をだまし取っていくのです。

このようなターゲットとならないよう、闇金からの接触を断つことが必要です。

まずは闇金に知られている電話番号は変更しましょう。

また、闇金の電話番号は着信拒否、知らない電話番号も闇金である可能性があるので同様に着信拒否としておきましょう。

闇金との取引に使った銀行口座は解約

闇金の手口の一つに、「押し貸し」があります。
本人の承諾なしに、勝手にお金を振り込んで「貸し付けしたから利息を払え」と請求するものです。

本人が「借りない」と断っても、「もう振り込んでしまったから遅い」といって返済を強要してくるのです。

このようなことにならないよう、闇金に知られている銀行口座は解約しておくとよいでしょう。

絶対にお金を返さない

闇金対策として基本中の基本、一番大切なことが「お金を返さない」ということです。

闇金は、「この人からは取れる」と思うと、執拗な取立てを行ってきます。

逆に、「この人からは回収できない」と悟ると、無駄な労力は使わずあっさり手を引くことが多いです。

一度でもお金を払ってしまうと、「脅せば取れるターゲット」とみられてしまい、乱暴な取立てや悪質な嫌がらせをされてしまうのです。

闇金の営業は違法であり、その借金を返済する義務はありません。契約自体が無効、元本の返済義務もなしという判例も出ています。

恐ろしい闇金の取立てを無視することはできず、恐怖心から泣く泣く支払ってしまう人がほとんどだと思いますが、何を言われても返済せず闇金に「屈しない強さ」を見せることで、闇金を追いやることができます。

そうはいっても一人で立ち向かうことはなかなか難しいものですので、専門家の力を借りると安心です。

弁護士や認定司法書士に相談すれば、闇金と交渉し、これ以上のかかわりを止めることから、個人情報の消去などについても合わせて要求することができます。

【参考】闇金からの借金は返済不要?元金・元本も返済義務はない?

【参考】ヤミ金を扱う弁護士・司法書士の一覧

まとめ

闇金からの借金を完済した後の注意点について解説してきました。

闇金は常識の通じない犯罪組織です。

「借金は返すもの」ではありますが、「借金は完済すれば終わり」という常識は通りません。

高額な利息と元本をきれいさっぱり払い終えても、闇金にはその取引情報と個人情報がデータとして残されています。

そのデータを使って、後々更なる勧誘電話が来ることがあります。

勧誘電話だけできっぱり断って済めばよいのですが、常識では考えられないような言いがかりをつけ、あの手この手でお金を支払うよう攻めてくるのです。

このような二次被害に遭わないために対策を練っておきましょう。

  • ①電話番号を変える
  • ②闇金との取引に使った銀行口座は解約する
  • ③絶対にお金を払わない

とにかく闇金からの接触を断つことが第一です。闇金からの電話や知らない電話番号は着信拒否、「押し貸し」をされないよう銀行口座も変更すべきです。

一度でもお金払えば「脅せばとれる」と思われてしまうので、何を言われても絶対に支払わないことも重要です。

そうはいっても自力で闇金に対抗することは容易ではありませんので、弁護士や司法書士など専門家の力を借りることをお勧めします。

当サイトでは、ヤミ金問題を扱っている弁護士や司法書士を地域別にまとめたページも公開していますので参考にしてみてください。

【参考】ヤミ金を扱う弁護士・司法書士の一覧