偽装質屋とは、利息制限法で定められている最高利息と、質屋が取れる最高利息の違いを狙った闇金(ヤミ金)です。

利息制限法では最高利息が、元本の額が十万円未満の場合年20%、元本の額が十万円以上百万円未満の場合年18%、元本の額が百万円以上の場合年15%と最高利息が2割つまり20パーセントまでと決められています。

それに対して、質屋さんを制限する質屋営業法は、「109.5パーセント(二月二十九日を含む一年については年109.8パーセントとし、一日当たりについては0.3パーセントとする。)」の利率を取る事が許されています。

利息制限法は20パーセントが上限です。質屋営業法は、109.5パーセントが上限です。

このため闇金業者は、質屋に偽装して利息制限法を越える利息を取り、このような闇金業者を偽装質屋といます。

この業態が増えている傾向がありますので注意が必要です。

偽装質屋の手口

偽装質屋の手口は、価値のないものを質入させます。

例えば、コップや食器、時計にピアスなど、なんでもいいので質入れさせ、それに対して普通の質屋ではつけない高額な金額を提示します。

質屋さんについては、知らない人もいますので、少し補足しますと、例えばブランドのバッグを質屋さんに預かってもらいます。

そのブランドバックと引き換えに、お金を融資してもらいます。要するにバッグを担保にお金を借りるのです。

そのブランドバックは、元金に利息をつけて買い戻す事も可能ですし、質流れの期間(3ヶ月程度)が経過しますと、借金が無くなると同時に、ブランドバッグが質屋さんのものになります。

借金と違う所は、期間が経過するとバッグはなくなりますが、借金を返す必要がなくなるという事です。これが正規の質屋さんです。

しかし、偽装質屋は価値のないものに高額の金額をつけ、さらに年金手帳なども不法に担保に取り、質流れを許さずに、ずっと高額の利息を取るのが特徴です。

コップや食器、時計にピアスなどには、元々価値がないので、実質はお金を無担保で貸しているのですが、高額な利息を取りたいがために、質屋の体裁を整えているのが偽装質屋です。

コップや食器などには、担保価値がないのですが、年金手帳、預金通帳などを預かり、年金支給日には一緒に銀行について行き支払わすなどの悪質な業者も存在します。

このような業者も立件され始めていますが、体裁としては、質屋としてきっちり質(担保)も取っているので中々検挙が進まないのが現状です。

質屋の体裁を取りつつ、高額な利息を取る闇金ですから、被害に合ったら、迷わず警察や法律の専門家である弁護士や司法書士さんに即座に相談して下さい。